タイで外国人が働くには

旅行者にとって、東南アジアは、ひときわ昔の面影の残るエキゾチックな場所です。なかでもタイは、比類なく美しい国です。バックパッカーの天国として名高く、ついに地上の楽園を発見したと思わずにはおれません。実のところ、観光地としての魅力の陰に隠れて、仕事の場としての面が見過ごされがちです。そういうわけで、私たちは、Working Abroad Magazineにおいて、その隠れた面を少し明かしましょう。この地球の片隅にある国には、意外に多くの仕事の機会があります。タイを旅する多くの人びとは、いとも簡単に臨時の働き口を見つけることができます。私たちは、もっと見つけにくい仕事の求人情報を知らせる義務があるのではないかと考えています。もっと知りたくありませんか?

タイは現在、旅行者のメッカとなっています。これは近い将来も変わらないでしょう。その地理的な位置のおかげで、オーストラリアへ向かう多くの人がタイを短期の滞在地としています。もちろん、タイ自体が観光目的地であり、毎年何千人もの観光客がこの多様な文化、食べ物、環境を体験するためにタイを訪れています。他方、この注目すべき国を訪れる人びとのうち、実際に滞在して仕事をする人は稀です(仕事の機会は少なくないのですが)。ボランティアの斡旋は非常に多いのですが、調べる場所さえ分かっていれば、賃金を伴うまともな仕事も数多く見つかります。最も一般的なのが、英語を教える仕事です。実際、お金を稼ぐためにタイやその他の東南アジアの国を訪れる人は、教職を選ぶ傾向にあります。夏季出稼ぎ労働者やこれから仕事を始めようとする人たちにも人気の仕事です。

タイで英語を教える

タイやその他のアジア諸国には、外国で教職に就きたい人向けにパッケージを提供する企業が数十社あります。インターナショナルスクールは、関連の教育学位がたいてい必要です。たしかに、学士であれば比較的速やかに受け入れ先が見つかりますが、たとえ大学へ行っていなくても諦める必要はありません。学校での成績がいくら良くとも、そんなことには関係なく、意外にも、インターナショナルプログラムを通じてストレスなく資格が得られます。その場合、Certificate Courseを完了しなければなりません。上級英語教員免許(Advanced TEFL)プログラムは、受講者の潜在能力を最大限伸ばしてくれるでしょう。TEFL資格は大半の外国機関が承認しています。そうしたプログラムを提供している公認の教育機関としてText and Talk Academy(at?www.teflteachthai.com)があります。タイに滞在中は、ここで訓練を受けることができます。

さらに良いのは、4つの素敵な場所から学びたい場所を選べることです。イギリス人旅行者に最も人気があるのはBangkok Instituteです。Text and Talk Academyも幅広いコースから学びたいものを必要に応じて選択することができます。たとえば、児童を教えたければ、4週間のCertificate Course、次いで2週間のTEYL(児童英語教育)コースを選択することができます。これは現在、チェンマイで連続して提供されています。チェンマイは、タイ北部の壮大な山々に囲まれた驚異的な多文化都市です。

「教師」という響きを好まれる方もいらっしゃるかもしれません。ただし、タイではどれだけの収入が得られるのでしょうか? 平均給与はそれほど高くはありません。相応の資格を持った英国出身の教師の月収は、通常3万タイバーツ(433ポンド)から始まり、最高8万タイバーツ(1,154ポンド)まで上がります。初任給の月収は、平均3万5,000〜4万タイバーツです。TEFLパッケージには、たいてい就労許可証の取得や一定の家賃手当が含まれています。ただし、これは配属先機関の裁量に任されていますので、事前に確認しておく必要があります。Text and Talk Academyは、コース参加者へのビザ支援もおこなっています。これは非常に重要です。というのも、ビザ支援は、外国人就労者にとって常に有用(事実上必要)だからです。極東の国へ行きたければ、International TEFL Corporation(ITC)がその場所ごと(ベトナムのホーチミン市、フィリピンのセブ、中国の北京など)に居住パッケージを支援してくれます。

ダイビングインストラクター

旅心を刺激する仕事の一つに、ダイビングマスター(インストラクター)があります。ダイビングに好きで、世界中にダイビングスポットを探しておられる方なら、タイでダイビングマスターの仕事に就くのも検討の価値ありです。ダイバー資格者向けにダイビングの旅を手配する仕事で、水中旅行ガイドの仕事に似ています。旅行の準備や装備品の用意、自らのダイビング体験の説明などで手助けします。

タイへ行く前にすでにレスキューダイバーのレベルに達しているか、それを計画中なら、タイでダイビングマスター・コースを受講し、採用してもらうのに必要な追加技能を習得するのがよいでしょう。どのような訓練を希望するかによって、短期集中コースあるいはパートタイムコースを選べます(コースの目安は3〜6週間)。ダイビング・指導技術、ダイビング知識を高めるための実践、勉強、試験は挑戦し甲斐があり、楽しい経験です。ダイビング体験の訓練と修練にできるだけ多くの時間をかけることはそれだけの価値があります。というのも、あとで仕事を見つけるのに実際に役立つからです。雇用者は、人びとが仕事と旅行を兼ねたいと思っていることを理解しているため、タイでは臨時の仕事が多く募集されており、理想的なパートタイムジョブとなっています。

ダイビングマスターになることを勧める以上、厳しい現実についても伝えておく必要があるでしょう。たしかに、タイには世界有数のダイビングスポットや素晴らしい浜辺や海岸の景色があります(ピピ島のマヤビーチは、映画『ザ・ビーチ』が撮影された場所です)。しかしながら、基本的にダイビングシーズンになると、通常は毎日学校が開かれるため、週6日勤務という激務になります。良い面はといえば、ボートを操縦したり、細かなリゾート問題に対処したりする責任はありません。そういった作業は、タイ人のクルーがおこないます。業務は毎日早朝から始まり、肉体的にきつく、単調な作業が繰り返されます。給与は月250ポンド程度と、さほど高くありませんが、生活費は非常に安く、研修を経てインストラクターになれば、十分にペイします。ただし、ほとんどの人はお金のためではなく、経験のために働いていることをお忘れなく。最終的にそれが自分にとってプラスになる仕事になるかどうかはあなた次第ですが、Divepodのアレックス氏の次のメッセージは大いに励みになるでしょう。

「毎日給料をもらってダイビングに行けるんですから、こんなに素晴らしい仕事はありません……ダイビング技術を上達させて、なおかつお金も稼げるうってつけの手段として、この仕事を誰にでもお勧めします。ダイビングの仕事を末永くやっていきたいと考えている人には、まずダイビングマスターとして働きながらある程度経験を積んでから、インストラクターになることをお勧めします。私の場合、タイに多くの友人ができ、最高の生活が送れています。こちらに来てからずいぶんと経ちますが、もう帰国したくありません!」

ツアーガイド

海より陸のほうがお好きなら、タイ周辺の周遊旅行パッケージを提供している大手の会社でツアーガイドまたはグループリーダーとして働く手もあります。同じようなパッケージを提供している会社は数多くあり、それらの会社は、タイ周辺を巡る少人数のグループ旅行をサポートする熱意と根気のあるヘルパーとガイドを必要としています。タイ周辺の40日間ロング・トレッキングを企画するFree and Easy Traveler社もその一つです。同社のツアーガイドは、トレッキング中の旅行者を手助けし、彼らの安全と快適さを確保することが主な仕事です。この旅行プランに関する詳細は、同社のウェブサイトに記載されています。同社は季節ごとに10人のリーダーを採用していますが、この仕事に関心がある方は、次のアドレスに電子メールを送り、自分がすぐれたトリップ・リーダーになれると思う理由を説明しましょう。一流の履歴書(CVやレジュメ)、添え状(資格等の詳細を記載)は、他の申請者との違いをアピールするのにうってつけの方法です。というのも、その仕事は1シーズンわずか10人の狭き門だからです。しかし、実のところ、同社が求めている明確な基準のようなものはなく、そのため、学歴にかかわらず誰にでもチャンスは平等にあります。けっして簡単に得られるポジションではありませんが、過去には、スウェーデン、南アフリカ、米国、カナダの出身者がリーダーに選ばれています。同社があなたを採用する場合、同社はあなたのビザに関わるすべての問題、あなたの初めての旅行に伴うフライトや宿泊、移動手段などを手配してくれます。また保険の加入や日々の必要経費を手当てしてくれます。経験を積めば、手当も増額されます。まだ十分に魅力を感じていただけないなら、この仕事に伴うもう一つの大きなボーナスを紹介しておきましょう。給与はかなり競争的です。すべての旅行と同様、部屋とフライトが手配され、月額500ポンド以上が支給されるでしょう。

しかし、ご承知かもしれませんが、わがWorking Abroad Magazineは、正直を誇りとしておりますので、こうした仕事のプラスとマイナスの両面を包み隠さず紹介しました。Free and Easy Travelerのグループリーダーになることの良い面は、特別な40日間のトリップのうち35日間をトロピカルビーチや鬱蒼とした熱帯雨林にいられることです。旅の行き先は、好きにならずにいられない完璧なバックパッカースポットから厳選されますので、働くだけでなく、旅も味わえます。もちろん、他の20人の若者たちとの旅ですので、素敵な時間になること請け合いです!

Free and Easy Travelerの創業者でもあるカーティス・スミス社長は、グループリーダーとして働くことは、人生を変える経験であり、非常にやりがいのある仕事だと述べています。

「あなたは、もし自分ひとりで旅していたなら知りえなかった生き方や考え方を人びとに伝えることができるでしょう。私どもが提供する旅行は、常に何らかの形でプラスの効果をもたらします。グループリーダーとしてのあなたは、旅行を通じて参加者各自の成長を促す大きな役割を果たすことになるのです」と。

ミャンマー労働局、タイの人材派遣会社33社をブラックリストに掲載

ミャンマー労働局は、タイ王国に労働者を派遣しながら、彼らの保護についてミャンマー政府に協力しなかったタイの人材派遣会社33社と個人9名をブラックリストに掲載しました。

ミャンマー労働・移民・人口省移民労働者局のDaw May Thu Nyo副局長の説明によると、ミャンマーは2014年以降、タイに労働者を派遣しながら、彼らの権利保護を怠った人材派遣会社と人物をブラックリストに掲載しているとのことです。

今回ブラックリストに掲載された人材派遣会社33社と個人9名は、ミャンマー外国人材派遣連盟(MOEAF)のメンバーだといいます。

「ブラックリストに掲載される会社と人物は増加の一途をたどっています。その一部は、外国出稼ぎ労働者の派遣許可を再申請してきましたが、われわれはこれを却下しました。」

Daw May Thu Nyo副局長によると、ブラックリストに掲載された会社は、外国出稼ぎ労働者の保護を強化するために労働局が提案している改革を実施する場合にのみ労働者派遣の再開が許可されることになります。

ミャンマー労働省は、タイ王国において然るべき措置が講じられるようタイ労働省に対してすでにブラックリストを送付しています。

MOEAFのU Lyaw Htin Kyaw事務局長は、問題のある人材派遣会社と人物のブラックリスト化をミャンマー労働省に要請したのはMOEAFだったことを明らかにしています。

「それらの会社は、タイに派遣した労働者を保護しませんでした」とMOEAF事務局長は述べています。

ミャンマーには240社以上の外国人材派遣会社があり、うち40社は長期にわたってタイに労働者を派遣しています。

2016年12月にタイ政府がミャンマーへの労働者派遣を禁止して以後、現在80社の人材派遣会社がタイに労働者を派遣しています。

労働当局とMOEAFの調査によると、平均1万〜1万5,000人のミャンマー人労働者が毎月タイに派遣されているようです。

MOEAFに加盟する人材派遣会社を通じてミャンマー人労働者を採用するタイの人材派遣会社は80社を超えています。

一部タイの雇用者は、労働者の採用が必要な場合、ミャンマーの人材派遣会社に直接問い合わせているようです。

タイの人権団体によると、同国で働いているミャンマー人の出稼ぎ労働者は約400万人にのぼるとのことです。

タイの新関税法発効後もタイ‐カンボジア国境を通過する陸上貨物輸送は従来どおり

タイの新関税法が発効しました。ただし、タイ‐カンボジア国境を通過する第三国との間の陸上貨物輸送は従来どおり続きます。

カンボジア関税・消費税総局(GDCE)の発表によると、タイの新関税法を遵守し、国境貨物輸送の新たな規則および手続きを定めるためのタイとの越境貿易に関する了解覚書は、予定期限の2017年11月13日までに具体化しませんでした。

GDCEの声明によると、「了解覚書の中身は、両国間での議論を経て合意に至ったものの、タイ側において協定署名までの国内手続き作業にもう少し時間を要する」とのことです。

また、国境における輸出入手続きはこれまでと変わらず、少なくともタイ関税当局から追加の通達が出されるまでは、越境貨物輸送は従来どおりであると投資家と運輸会社に対して確約しているとのことです。

カンボジア貨物フォワーダー協会のSin Chanthy会長は、これは業界にとって朗報とクメール・タイムズ紙に語っています。

またChanthy会長は、「通常どおり業務を続けられることは、すべての事業者にとって朗報です。私どもはカンボジアの税関当局と緊密に協力し、タイとの了解覚書を後押ししています」とも語っています。

2016年のカンボジアとタイとの間の二国間貿易は前年比1億ドル増の56兆ドルでした。2016年のタイからカンボジアへの輸出額は47兆ドルであり、カンボジアからタイへの輸出額は9億3,700万ドルでした。

ToRとMajaのコラボ、アジアの英語圏マーケットに「完全にマッチ」

タイとフィリピンの音楽業界は、ToR+ SaksitとMaja Salvadorとの文化の垣根を越えたコラボをめぐって衝突しています。

シンガー・ソングライターでピアニストのToR——フェイバリット・アーティスト・オブ・タイランドを数回受賞——は、英語歌詞のバラッドFalling Into You(君にぞっこん)という曲で、ワイルドフラワーのリードスター(ダンス&ミュージックの世界で活躍の場を広げ、多彩な肩書を持つ)とデュエットしました。

この「夢の共演」は、BEC-TERO Music ThailandがIvory Musicと共同で企画したものです。Ivory Musicは、Majaのミュージックレーベルで、彼女はパタヤの南にできた最新設備のカルマ・スタジオでFalling Into Youを収録するためにバンコクに降り立ちました。この新曲は、Vanness Wu、Cyndi Wangらアジアのポップスターとタッグを組んできた台湾のプロデューサー兼コンポーザーVictor Lauが作曲しました。

Majaにとって、同じアジアのアーティストとコラボしたのは今回が初めてですし、ToRにとっても、自ら共作した英語歌詞の曲を収録した初めての経験です。

報道によると、Falling Into Youは、Majaの官能的で感情的な表現に加えて、タイのポップスターがつまびくピアノ演奏の妙技と心に沁みるボーカルが際立っているとのことです。

両アーティストの音楽ファンのもとへは、バレンタイン・シーズンに合わせてグローバル・リリースされる2018年2月にこの曲が届けられるでしょう。

33歳のToR(本名Saksit Vejsupaporn)は、ヒットチャートをにぎわすタイの歌手たちにピアニストとして紹介された2003年以来、タイの音楽業界で活躍しています。2007年にソロ活動をスタートさせ、ピアノ演奏だけでなく、自ら歌ったアルバムLiving in C Majorは、タイの音楽チャートで第1位に上りつめました。

去る9月、ToRはシンガポールで開催されたイベントMusic Mattersで、第1回のArtist That Matters 2017 Awardを受賞しました。Majaとのデュエット以外にも、ToRは最近、Waiting For Loveという(北京語で歌われた)曲で、ソニー・ミュージック・チャイナのJoshua Jinと共演しています。この曲は、中国、香港、台湾、シンガポール、マレーシアでリリースされました。

ToRは最近、Majaとの写真撮影のためマニラを訪れていました。その滞在中、彼はSTARとのe-mailインタビューも受けています。以下がその一問一答です。

今回のコラボについてお話をおきかせください。どういう経緯だったのでしょうか?

「Falling Into Youは、2016年にイギリスの作曲家2人と共同で書いた曲でした。とても素敵なデュエット曲だということは分かっていましたが、デュエットするいい相手が見つかりませんでした。なにせ英語の曲ですから。2017年初め、私の所属レーベルBEC-TEROが教えてくれたのですが、この曲をたいそう気に入っているフィリピン人アーティストがいて、この曲で私と共演したがっているというのです。それが最初でした。」

フィリピン人アーティストと初めて共演してみて、どういうお気持ちですか?

「英語の曲ですから、[英語圏]マーケットに完全にマッチするなと思いました。それに、この曲は、どんなに二人が離れ離れになっていても、互いに愛し合っていられることを歌っています。フィリピンについてお話しすれば、私は彼ら(フィリピン人)にとても親近感を抱いています。なぜなら、小学生から高校生まで、私を教えてくれた先生はみんなフィリピン出身でした。私の最初のバスケットボールの監督も、英語の先生も、聖歌隊の先生も、みんなフィリピン出身でした。そういう次第で、私はある意味、フィリピン人との縁を感じています。ですから、私はきっと素晴らしいコラボになると確信していました。」

「Majaはとても素敵なひとです。もちろん、彼女は美しい。ですが、世の中には、しじゅう「美しく」見られるように気を使ってばかりいる有名な女優さんが大勢いらっしゃるでしょう? 個人的には、そのせいで魅力が削がれているような気がします。ところが、Majaは違います。彼女は自然体です。話すときも、ジョークを言うときも、笑うときも、しっかりと地に足がついています。それが、私にとって美とは何かということの定義なんです。つまり、自然体ということです。」

このペアで何を実現したいとお考えですか?

「タイとフィリピンのマーケットのあいだで音楽カルチャーが交流するということは、Majaにとっても、私にとっても、素晴らしい機会になります。アジアのマーケットには、ロマンティックな愛のバラッドが広まる余地がまだたくさんあると思います。さらに、Falling Into Youを聴いてくださった方が、愛する人のためにこれを歌ってみたいという気持ちになってほしい。みなさんに幸せが訪れてほしいのです。」

Majaとの共演以前に、フィリピンの音楽やアーティストについて何かご存知でしたか?

「正直に申しますと、フィリピンのミュージックシーンについては、あまり知りませんでした。ただし、多くのフィリピン人のみなさんが音楽に造詣が深いことは存じております。歌が歌えないフィリピン人に出会ったことは一度もありません。それは、あなた方の文化が持つ偉大さなのだと思います。」

Falling Into Youを共作されて、何かインスピレーションが得られましたか?

「私がインスピレートされたのは、遠距離恋愛についてでした。私たちは誰しもその人生において、それぞれ責任を負っていると思うんです。いくら離れていても、自分を待ってくれている(あるいは愛してくれている)誰かがいるんだと分かっていることは、なんて素晴らしい感情なんでしょう。」

あなたの経歴を拝見していて気づいたのですが、あなたは2003年から15年近くプロのアーティストでいらっしゃいますよね。これまでの音楽経験をどのように総括されますか?

「今日やっていることができているってことは、なんて自分は恵まれているのかと思います。ここ数年はタイ国外にも活動の場を広げることができました。中国マーケットとか、まもなくフィリピンのマーケットにも。私の人生は、すべて音楽です。音楽によって周りの人びとが幸せとインスピレーションに満たされることを祈っております。」

あなたの音楽は、かりに「進化」という言葉を使ってよろしければ、スタートした頃からどれくらい進化してきたとお考えですか? それから、タイのトップ・ミュージック・スターのお一人として、時とともに変化する聴き手の音楽的嗜好に敏感であるために何かやられておられますか?

「私にとって、音楽は日記のようなものです。人間は、日記をつけるとか、絵を描くとか、写真を撮るとか、音楽を作るといった形で、記憶や歴史を記録しようとしてきましたよね? 今日書いた曲は、自分がどう感じ、自分が何者であり、今日何に熱中したのかを反映しています。私がやらなければならないことは、私の人生を生きること、音楽に磨きをかけることだと思うんです。新たなインスピレーションを見つけること、新たな課題を自らに課すことも、私がやりたいことです。」

これから先数カ月、私たちはあなたに何を期待してよろしいでしょうか?(たとえば、フィリピンやその他のASEANの国のアーティストとのコラボとか…)

「現在、次のアルバムに向けて新曲を書き始めています。たぶん次は、タイや中国など他のアジアのマーケットでリリースすることになるでしょう。ですが、フィリピンをもっと訪れることができればと思いますし、この国でコンサートを開きたいとも考えています。」

最後に、フィリピンの音楽ファンに何かメッセージをいただけますか?

「みなさんがこの曲を愛してくださることを望んでいます。私たちの人生の大部分は、愛からなっています。誰かを愛することができるってことは、とても心に残る経験だと思います。どうかその経験を、あなたが愛する人と分かち合ってください。」

タイのカフェ、3Dプリンターであなたの顔をパンケーキに

タイの通りに座って、自分の両目を見ながら考えています。左目と右目、どちらから食べようか、と。別に血まみれの悪夢にうなされているわけではありません。パンケーキの表面に描かれた自分の顔とにらめっこしていただけです。

実際、チェンマイの繁華街に、自分の顔をパンケーキに描いてもらえるカフェがあります。自撮り写真を送るだけで、生地上にあなたの顔を細部まで忠実に再現してくれるのです。

自分の顔をパンケーキに描いてくれる場所はそう多くありません。ただし、タイ北部のショッピングセンターだけは例外でしょう。下着販売店やワニ革のコピー商品を扱う店の隣に建つ、この商魂たくましい殿堂の3階にひっそりと店を構えているのがASカフェです。

世界中にあるこの種の数少ない場所の一つASカフェは、3Dプリンターとパンケーキ職人の手作業を組み合わせて、自撮り写真をバターで再現しています。

その工程は、まずトッピング選びから。クラシックシロップ、バターシロップ、メープルシロップのなかから選びます。顔にアイスクリームやフルーツをたっぷりとかけることもできます。次に、ああでもないこうでもないと表情を変えながら20分ほどで自分の顔を自撮りします。いろいろと考えて、顔や髪の毛や眼鏡を付け加えることもできます。スナップチャットフィルターはお勧めしません。準備が出来たら、所定のアドレスに写真をメール送信しましょう。

興味深げに見つめる店員を傍目に、私と友人たちは写真用にぎこちないポーズをとりながら、ばかみたいに笑顔を作ります。次にパンケーキ職人のWaanさんがボトルにバターを詰め込み、3Dプリンターが顔の輪郭をスムーズに描いていきます。ところが、途中までいったところで急に動かなくなり(どうやら私の顔がプリンターを壊してしまったようです)、Waanさんは困惑の表情。彼女はボトルをトントンと叩いて、バターを詰め直し、作業を再開しました。

Waanさんは、彼女のスマホ画面にある私の笑顔の写真をよく見て、眉に皺を寄せています。彼女は大小さまざまのバターノズルを使って私の顔を描いています。その表情は真剣そのものです。そう見えるのも無理はありません。恐るべき集中力を要する作業ですから。いろいろと計算しているのはもちろんです。Waanさんは、私の髪の毛や顔の凹凸をはっきりと描こうとバターノズルを慎重に操っています。こうして、パンケーキの輪郭が出来上がります。

途中、歯の輪郭だけが完成した状態を見ると、私の表情は痩せこけたダースベーダーのようで、あまり気分のよいものではありません。

「パンケーキ作りがどれほど難しいことか。一つ一つ手作りですが、どなたであれ、その方の特徴を忠実に描かなくてはなりませんから」とWaanさんは言います。私は我慢して、じっと待ちます。私の鼻が魅力的に見え始めてきます。

ASカフェがオープンして1年余りになります。もう一人のパンケーキ職人Gikさんは、大学でマルチメディア・アートを学び、二人ともこの仕事のために3カ月間修業しました。その短さたるや驚異的です。その腕前たるや印象的です。二人のもとには、ペットのパンケーキを作ってほしいという注文が毎日のように届くそうです。いちばん珍しい注文について訊ねると……

「いちばんびっくりしたのが、山羊のパンケーキでした。その御婦人が申されるには、『きのう山羊に襲われたの。だから今日は私が山羊を食べてやるわ!』と」

そうこうするうちに、私たちのパンケーキが完成しました。特にファンファーレもなく、味気ない白いプレートに載せられて配達されます。眉はシロップで、鼻と頬はバターで厚化粧されています。結局、自分の顔を食べるというのは、奇妙で、意外に憂鬱なものです。パンケーキ上の私の両目は悲しげに見えたので、最後まで取っておくことにしました。少し考えてから、最初は頬から食べることにしました。

パンケーキに印刷された顔を見ていると、あれやこれやといった実存的な思いに駆られます。「眼鏡をかけていればよく見えたのだろうか?」「あの大きなIRLは本当に私の鼻なのだろうか?」「どうして私の鼻がプリンターを壊したのだろうか?」等々。

友人の一人は、彼女のパンケーキの顔を見ながら、「私って父親似なんだ」と言いました。

「パンケーキの私って見栄えがいいわ」ともう一人の友人は言いました。

「ぼくは90パーセントが髪の毛だ」と三番目の友人が言いました。

私たちは皆、パンケーキを使って、いろいろなヘアスタイルを試してみました。完全に加熱調理された生地を切って、自分たちの髪型をボブやピクシーにしたらどういう感じなのかを見るために。ふと私は、パンケーキの自分が、食べてしまえば跡形もなくなる千年に一度の儚き空しさの実に究極のものだという気がしました。

美味なる千年に一度の儚き空しさです。

初のミシュランガイド・バンコク出版、3つ星レストランはゼロ

長らく食の愛好家の天国であったバンコクで、初のミシュランガイドが出版されました。しかし、3つ星を獲得したレストランはありませんでした。

2つ星を獲得したレストランは3店あり、そのうちの一つがインド料理店Gagganです。あとの二つが、フレンチ食堂Le NormandieとヨーロッパのレストランMezzalunaでした。

有名なバンコクの屋台街にあるJay Faiは、カニオムレツやカレーなどの料理で1つ星を獲得しました。

東京、香港、マカオ、ソウル、上海、シンガポールに次ぐバンコクのミシュランガイド出版によって、美食都市バンコクの知名度がさらに高まり、外国からの観光客が増え、経済が潤うことをタイ政府は期待しています。2018年の外国人観光客数3,700万人(タイの人口の2分の1以上)誘致がタイの目標です。

「ミシュランガイドの出版がより多くの食通の関心を集め、タイの観光・娯楽市場全体に寄与するとわれわれは確信しています」と語るのは、タイ国政府観光庁のユタサク・スパソン長官です。

ミシュランは、アジアの競合タイヤメーカーShandong Linglong Tyre Co.やAeolus Tyre Co.などに対して同社の幅広い拡販戦略の一環としてバンコク版ミシュランガイドを出版しました。この非営利ガイドの出版がミシュランの高品質なブランド力強化につながるものと同社は見ています。

ミシュランのレストラン審査員(匿名)は、創造性、品質、サービスに基づいて評価しています。料理が芸術的で「このためだけに訪れる価値のある」レストランには3つ星、「回り道してまで訪れる価値のある」レストランには2つ星、そのカテゴリーのなかでは素晴らしいレストランには1つ星がそれぞれ与えられます。

Gagganは、2017年前半のアジアで優秀なレストラン上位50位以内に3年連続でランクインしたあとの高い評価となりました。

「私どもの店の料理は昨日も本日も変わりません」とGaggan Anand シェフはインタビューに答えています。「ですが、今日以降、私を見かけた人たちは、あの男が2つ星を取ったのだといって通り過ぎることでしょう。」

ミシュランガイド・バンコクには17の料理店が掲載され、うち14店が1つ星を獲得しました。ミシュランガイド国際ディレクターのミシェル・エリス氏が語ったところによると、バンコクのレストランが3つ星を獲得するまでにはもう少し時間がかかると思われます。

アート・ステージ・シンガポール2018、注目はタイの芸術家

アート・ステージ・シンガポール2018は、規模を4分の1ほど縮小して開催され、出展するギャラリーは100軒を下回る予定です。開催責任者のロレンツォ・ルドルフ氏は、市場の不振をその理由に挙げています。

ART STAGE Singapore 2018
https://www.artweek.sg/events/art-stage-singapore-2018

過去7年連続で開催されているこの催しに参加するギャラリーは、おととしが170軒、去年が131軒と減少傾向にあります。

「市場は不振をきわめ、ここ8年間伸び悩んでいます」とルドルフ氏は報道関係者に語っています。

アート・ステージ・シンガポール2018には、「90〜100軒のギャラリー」が出展する見通しですが、目下交渉中のためギャラリー名は明かせないとのことです。

ルドルフ氏によると、2011年以降アート・ステージ・シンガポールに出展したギャラリーは計500軒を超えていますが、多くは販売不振か、決まった収集家にしか売れないとの理由で、再出展を拒んでいるといいます。

隣国の都市で同様の催しが開かれている影響も考えられます。ルドルフ氏がアート・ステージ・シンガポールの姉妹版として2016年にインドネシアのジャカルタで始めた同様のイベントは盛況だったようです。

アート・ステージ・シンガポール2018は、1月26日から28日まで、マリーナベイ・サンズ・エキスポ&コンベンション・センターで開催されます。長期的な展望を問われたランドルフ氏は、「シンガポールの影響力は今も強く、要はその使い方次第です」と答える一方で、「最大の問題は、シンガポール自身にあります。地元の収集家がここでは買ってくれないのです」とも語っています。

アート・ステージ・シンガポールは、東南アジアの旗艦アートフェアとして2011年に始まりました。その舵取りを任されたのが、スイス人のランドルフ氏です。彼は1990年代半ばにアート・バーゼルのディレクターを務めていました。

アート・ステージ・シンガポールは、毎年恒例のパブリックアート・フェスティバル「シンガポール・アート・ウィーク」の進展に弾みをつけました。シンガポール・アート・ウィークの呼び物は、国立芸術協議会、シンガポール政府観光局、シンガポール経済開発庁が企画するアートウォーク、光のショー、パブリックインスタレーションなどの催しです。

2018年のシンガポール・アート・ウィークは、1月17日から28日までの一週間です。

需要が低迷しているのは、アート・ステージだけではありません。2010年にシンガポールで始まったアフォーダブル・アートフェア(100〜15,000ドルの作品を販売)も同様です。当初は盛況をきわめ、2014年から年2回開催されていましたが、最近の売り上げ不振のため、2018年からは年1回の開催に戻る予定です。出品される作品の75パーセントが7,500ドル以下のお手頃価格だというのにです。

アート・ステージ・シンガポール2018の注目は、タイの芸術家です。タイから10軒のギャラリーが出展し、Natee UtaritやKamin Lertchaiprasertらスター芸術家の作品が展示される予定です。

芸術家同士の意見交換や芸術家の支援を促すアート・ステージは、東南アジアフォーラムの一環として、この地域出身のデザイナーやスタジオを紹介する場となっています。

2018で注目されるデザイナーやスタジオは、シンガポールのDazingfeelsgood、Hans Tan、Kevin Chiam、Tiffany Loy、タイのFabuless Studio、フィリピンのGabby Lichaucoなどです。初開催となるデザイン展示会は、オンライン・アート店The Artlingとのコラボです。